洞源院寺報なむ
第32号(令和元年5月1日発行)
人生に『修証義』をその7
住職 小野﨑秀通
一者布施(一つには布施)
我々人間は、六道輪廻の宿縁により、この世で人間界に生かさせて頂いています。それは過去世の宿善のしからしむるところであり、来世に至っても人間界以上の苦しみの少ない安楽を願うのであれば、この世において度重なる善行の功徳を積まなければなりません。その善行に励む者を「菩提薩埵(ぼだいさった)」=「菩薩」といいます。その善行の功徳を『修証義』で一者布施、二者愛語、三者利行、四者同事の四つの真の智慧の働きを行じていかなければならないと説かれています。
道元禅師は、布施とは貪らないことだと冒頭に説かれます。言い換えれば欲しがろうとしないことです。また、自分が得た財を、自分のものだけにしないで、世のため人のために使おうと解釈しても良いと思います。
一年程前、大分県由布院の尾畠春雄さんという方が「スーパーボランティア」として一躍有名になりました。本人は報道機関や世間が騒ぎ立てている事には、全く意に介せず、日々淡々とボランティアをして八十歳になる今日も、人様に喜んでもらえるようにと暮らしております。尾畠さんは、六十歳の還暦を期に仕事を全てリタイヤして、初めは地元由布院登山道の整備から始まり、ボランティアが必要だと思われる所には、どんなに遠くても小さな愛車で向い、東日本大震災時には、石巻で民家の泥掻きを手伝い、西日本での震災にも率先してボランティアをされていました。その時、自分の食料も持参し、愛車に寝泊まりしての作業で、被災者には一切迷惑を掛けることがないように気遣いをしていたと聞きました。山口県の二歳児が行方不明になった時、地元消防団、警察、近隣住民が必死に捜索するも見つからない中、尾畠さんがいち早く発見して、祖父母の家にお届けして、玄関先で「当たり前のことをしただけですから」と何もなかったかの様に帰路に着いています。
「ボランティア」とは「志願者」、当に誰かに言われて行動するのではなく、自らが人のために志願して救いの手を差し伸べることです。八十歳になる尾畠さんは十代の時に母親と死別し、今なお母に会いたいと言っておりました。母への恩返しの想いで人のために尽くして来たのかと感じ入りました。
尾畠さんのように徹底した奉仕者にならなくとも、社会の一員として会社やお店や農業、漁業、この世で働いた対価としての報酬を得ますが、その中からいつも社会に寄付をしていく事や人のために役立てる事は、とても大事な布施です。そんな余裕はないとおっしゃる人も多いでしょうが、道元禅師は「一銭一草」でも良いと勧めています。
また、お布施は仏法僧へのお供えでもあります。どんな宗教も献金のない宗教はありません。キリスト教でも常々の献金の他、死後、神の国に入らせて頂くために、多額の献金もしています。
私たち仏教徒も、お釈迦様へ、ご先祖様への心からなる信心と感謝の念を込めてお布施をしたいものです。
みちのく巡礼札所めぐり 一日研修旅行のご案内

主催・洞源院護持会
6月18日(火) 午前8時洞源院出発
「みちのく巡礼宮城三十三札所」が立ち上げられました。
東日本大震災に遭った地域の祈りの場として創設された札所です。数年を掛けて巡礼致しますので、是非ご参加下さい。
参加費用 4500円
今回は第一番の気仙沼方面から巡礼します。
巡礼に当たって、右記のような御朱印を受けられる方は、事前に申し込み下さい。一札所300円
また、巡礼衣装の「おゆずり」をご希望の方も洞源院へお申し出下さい。
申込み期日は、6月8日まで。
定員になり次第締め切ります。
新刊本紹介
【今はずっとしあわせだから】
東日本大震災 「津波のあと」を生きる
小野﨑美紀 著

東日本大震災の時、5ヶ月間洞源院を避難所として過ごした方々との日々を綴った『あったかい手』が「ぱんたか出版社」から、これまでに3万部以上が出版され、全国の方々に読んで頂き、大反響となっています。 読んで頂いた方々の中には、住職が震災復興の一助となるようにと「石巻ひがし保育園」を立ち上げた事を知り、支援金を寄せて頂いた方々も多くおりました。そのお陰で『あったかい手』は保育園の運営にも大いに手助けとなってくれている本でもあります。
出版社の篠原社長様から、その後どうなっているのかという多くの読者の声が寄せられ、是非、この8年間の様子を書いて頂けないかと勧めがあり『今はずっと幸せだから』という題で出版させて頂くことになりました。(1冊1000円)
一文を紹介します。
「みんな奇跡の人」
奇跡はおこる
非情なる 絶望の中
普通の人に
奇跡は起こっている
生命がけで生きようとしている
普通の人に
奇跡は起こり続けている
未来を思い 希望を失わず
大切な人を想い続けている
普通の人に
しかし時として
奇跡の輪の中から
はずれる人がいる
自分 自分と
自分のことばかり主張する
普通の人
奇跡の種はだれでも
みーんな持っている
感謝する人の心の中に
「石巻グリーン・グローブの会」(里山公園)

この会は、祝田地区に植樹されていた桜がテングス病や藤つるで荒れ放題になっていたものを整備し、自然にふれあい、地球温暖化防止と海洋資源の保護のための植林活動と四季の変化を楽しめる公園造りを目的として平成十年に設立されました。
公園の整備にバックホー等の重機を導入し、木の伐採や整地をし、翌十一年から県が推進する百万本植樹事業へ参加し、県から毎年苗木の支援を受け、これまで二十余種、五千四百本余りを植樹してきましたが、鹿による食害が出始め、苗木の保護対策や公園敷地の周囲に海苔養殖の網で鹿の侵入防止柵を施したりして、里山の保全管理を維持してきました。
しかし、会員が震災で犠牲になったり、高齢化に伴う脱退で整備作業もままならぬ状態です。
設立時から大活躍したバックホーも東日本大震災の祝田地区の道路啓開で活躍後、その使命を終え廃棄処分となり今は山の作業上大変な痛手となっています。
桜のテングス病の枝切除去、時節に花木への施肥作業、囲い網の補修補強作業、最近は倒木との戦いとなっています。
このような地道な活動により落葉樹の山からの伏流水がミネラル・カルシウム等の栄養分が地下層の水脈を通じて海に流れ込み、海が豊かになり、海の生き物を育む一環になっていると自負しています。
山の散策
自由に入山できます。例年桜は四月中旬頃、ツツジは五月上旬シャクナゲは五月中旬頃見事な花を咲かせています。
清澄な山の空気を胸一杯吸い野鳥のさえずりを聞きながらの散策も楽しいと思います。
※会員募集中
入会を希望される方はお電話を
☎24-1389 洞源院
みちのく巡礼宮城札所

この「みちのく巡礼(http://michinoku-junrei.com/)」は元高校教師でお遍路を二度、三度と体験された櫻井史朗氏が、東日本大震災にあった地域にこそ被災のための祈りの場を創らなければと平成二十六年「一般社団法人みちのく巡礼」を立ち上げた事に由来します。その時点では、祈りの場である札所の場所や数が決まっておらず、巡礼地創設の会議を何度か重ねる内に、ようやく「みちのく巡礼宮城三十三札所」が本年一月に決定しました。
今後「祈り・癒やし・伝承」の場としてその役割が期待されますが、多くの方々に巡礼してもらえるよう希望しています。なお「みちのく巡礼札所会」の発足以来、札所会初代会長には洞源院住職が就任しております。
「みちのく巡礼宮城三十三札所」はユーチューブにも紹介されるようになりましたから、全国の人々にも徐々に知られるようになっています。
洞源院檀信徒皆様にも知って頂き、お遍路体験をして頂きたいと、本年より何回かに分けて巡礼してみたいと存じます。
札所は次の通りです。
- 松岩寺 曹洞宗 気仙沼
- 地福寺 臨済宗 気仙沼
- 清涼院 曹洞宗 気仙沼
- 徳性寺 曹洞宗 南三陸
- 大徳寺 曹洞宗 登米
- 福田寺 曹洞宗 登米
- 寶性院 真言宗 登米
- 弥勒寺 真言宗 登米
- 松景院 真言宗 美里
- 長観寺 曹洞宗 石巻
- 照源寺 曹洞宗 女川
- 洞仙寺 曹洞宗 石巻
- 洞源院 曹洞宗 石巻
- 梅渓寺 曹洞宗 石巻
- 禅昌寺 臨済宗 石巻
- 寿昌院 曹洞宗 東松島
- 願成寺 曹洞宗 東松島
- 長音寺 曹洞宗 東松島
- 大仰寺 臨済宗 松島
- 瑞巌寺 臨済宗 松島
- 東禅寺 曹洞宗 名取
- 昌林寺 曹洞宗 仙台
- 賢聖院 天台宗 仙台
- 愚鈍院 浄土宗 仙台
- 福聚院 曹洞宗 仙台
- 西光寺 真言宗 仙台
- 龍島院 曹洞宗 村田
- 関泉寺 曹洞宗 七ケ宿
- 恵洪寺 臨済宗 岩沼
- 称名寺 浄土宗 亘理
- 海蔵寺 曹洞宗 亘理
- 徳泉寺 曹洞宗 山元
- 徳本寺 曹洞宗 山元
道を開いたお遍路
去る3月26日「ショーケン」の愛称で親しまれた萩原健一さんの訃報がありました。ドラマ「傷だらけの天使」「前略おふくろ様」など個性派俳優で、グループサウンズ「ザ・テンプターズ」のボーカルを務め、「神様お願い」「エメラルドの伝説」など多くのヒット曲を出しました。私生活では、夜の帝王とばかり破天荒な行動が目立ち、大麻の不法所持や映画の出演料を巡る恐喝未遂などの容疑で逮捕され、世間を騒がせました。
しかし、彼は社会からバッシングを受けると、無知なる己に苦悩し、自内証して生き方を改めようと努力し、社会復帰を果たしてきました。その自内証の最たるものが「お遍路」を行ずることでした。彼は真剣に己に向かい合い、仏に向き合って、「懺悔懺悔六根清浄」と祈り続け、己を再生し、蘇生させることができたのだと思います。
蘇生したショーケンが俳優の実力を発揮して旅立てたことに敬意を表します。
第四十四回石巻牡鹿緑蔭禅の集い 参加者募集
- 会場
- 洞源院
- 日程
- 7月22日(月)~23日(火)
- 1日目
- 受付(13時)
開講式
オリエンテーション
坐禅
レクリェーション
夕食
坐禅
万灯の夕べ
花火
就寝 - 2日目
- 朝のお勤め
朝食
作務
お話
親子坐禅(10時半)
閉講式・解散(11時) - 参加者対象
- 小・中学生
- 定員
- 60名
- 会費
- 2,000円
- 申込み
- 7月15日まで洞源院へ 0225-24-1389
- 主催
- 曹洞宗第十三教区
- 主管
- 第十三教区青年会
活動報告(1月~4月)
- 三朝祈祷会
- 元旦~3日
- 大般若祈祷会
- 1月18日
- お涅槃会 仏の教えを聞く会
- 2月16日
- 東日本大震災合同供養
- 3月11日
- 春彼岸供養
- 3月18~21日
- 永代供養・愛々動物供養
- 3月21日
- 花まつり 仏の教えを聞く会
- 4月14日
行事予定(5月~8月)
- 園児花まつり
- 5月8日 10時~
- 園児シャクナゲ見学会
- 5月14日 9時30分
- 希望者はどなたでも参加可 汐見台公園入口集合
- 十三教区総会
- 5月17日 15時~
- 東北大学留学生研修会
- 5月18日 12時~
- 護持会会計監査 護持会役員総会
- 5月19日 14時~
- 渡波駅花壇植栽 保育園児参加
- 5月20日 9時~
- 十三教区護持会総会
- 6月4日 14時~
- 護持会研修旅行(みちのく巡礼)
- 6月18日 8時出発 (気仙沼から6ケ寺ほど)
- 十三教区禅の集い(洞源院会場)
- 7月22日~23日
- 寺清掃奉仕
- 8月4日 8時30分~ 多くの参加を願っています。
- 山門施餓鬼会
- 8月8日 10時半~
- お盆供養
- 8月13日(火)~15日(木)
- 各日7時・9時・11時、13日のみ13時まで
予告
- 山門大施餓鬼会開催日変更
- 例年8月17日に開催されていた日程を今年度からお盆前に開催することになりました。
開催日時は次のとおり
8月8日(木)
10時半設斉(食事)
11時~ 朗読と演奏 「怪談・耳なし芳一」を予定
元NHKアナウンサー 軽井沢朗読館々長 青木裕子氏
サックス奏者、ミジンコ研究家 坂田 明氏
12時半~ 山門大施餓鬼法会 お盆供養五如来幡お授け有り
墓地について
墓地は先祖様の寝堂依り代です。月に一度、お参りし、清潔美化に努めましょう。
数年間墓地へのお参りがなく、寺からの連絡が途絶えている檀信徒がおられます。
ご存じの方はお知らせ下さい。墓地の整理をしていきます。
編集後記
新元号「令和」が四月一日に政府より発表されました。皇太子さまが新天皇に即位される五月一日の午前〇時より施行されます。
平成は振り返ってみますと自然災害が多かったような気がします。石巻は特に東日本大震災の被害があまりにも大きかったからなのか、防潮堤や道路の工事がまだ続いています。
今年の冬は宮城県でも雪が極端に少なく山沿いの人達もこのような年は珍しいと言っていました。これからの農作業に影響があると思われます。また、海も春漁の小女子が不漁です。温暖化が原因なのか年々魚が獲れなくなってきて、水産加工場の多い石巻としては大変です。
「なむ」三十二号の発行にあたり皆様にはお忙しい中ご協力いただきまして誠にありがとうございました。これからも広報部一同、皆様に親しまれる「なむ」を目指して頑張ってまいりますのでよろしくお願い致します。