洞源院寺報なむ

第15号(平成25年8月1日発行)

葬儀を行う意味

住職 小野﨑秀通

最愛の人と永遠のお別れをするということは、起こらないことにこしたことはありませんが、この世に生を享けた以上は、避けることのできない厳然とした事実です。こうした時、ただ嘆き悲しみ、うろたえているだけでなく、故人の死を悼み、葬儀が執り行わなければなりません。

なぜ葬儀を行うのだろうか。

その訳はもちろん故人の冥福を祈るためですが、そればかりではなく、故人を取り巻く関係者の「故人に対する心のケジメをつける場」「遺体に対するおそれとけがれを浄める場」「遺族を慰め励ます場」「死の意味を考え、反省する場」などの意味あります。このように、故人だけでなく、生きている者にとっても、この儀式をしめやかに執り行うことによって、我々がこの世に生きている意味を知ることができるのです。

言い換えれば、葬儀やそれに続く法事などの行事は故人を仲介として生きている我々が、個人的にも社会的にも生きる意味を確かめ合う人間的な行為なのです。そこにはウソや偽りのないむき出しの人間の本音が出、日頃雑事に追われる我々の人生に反省と展望をもたらす絶好の機会なのです。

曹洞宗では、お釈迦様の伝えた戒法を受けて、真実のいのちに目覚め、清く安らぎある「今世安穏」の日暮をし、亡き後は「後生善処」の成仏を願うことを説いています。戒法は我々が皆本来もっている仏のいのちそのものですので、この世の最後に心から授受し、「後生善処」をお祈りするのです。

ところが、亡き人に戒を授けても無駄ではないかという人がいます。

私たちのいのちは現世だけのものではありません。永遠の時間と無限の空間の交わりの中にあります。これを仏教では「三世十方のいのち」「無我のいのち」といいます。道元禅師様は「仏法は人間の計らいでは知ることはできない」といい、人間の汚れた心をもっては仏様に通じないということです。

三世を信じ、仏のいのちに目覚め、清らかな心で、故人の冥福を心から祈るところに成仏の道があります。

そう考えると、葬儀は無意味だからやらないという利己的な解釈は根拠を失います。逝く人と同様、送る人にとっても大事な行事ですので真心を持って努めたいものです。

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お盆のお知らせ

お盆供養については、お寺でお勤めいたします。

8月13日(火)
午前の部 8・9・10・11時
午後の部 3・4・5時
8月14日(水)~15日(木)
午前の部のみ 8・9・10・11時

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梅花講の全国大会が宮城で開催

平成25年度の梅花講全国大会が5月29日から30日にかけて、利府町の宮城県総合運動場「グランディ21」で開催されました。

梅花講、全国大会に参加して

宮城県を会場に開催される梅花講の全国大会に、参加出来ることに少々興奮気味な私がおりました。洞源院の梅花講が参加したのは5月30日で、天候にも恵まれ、会場には大勢の人が集まり緊張しました。

初めに、大本山永平寺貫首福山諦法禅師様のお話をお聞きし、身の引きしまる思いをしました。

式典が進み登壇奉詠となり、全国から11,000人の講員さん達が集まり日頃の練習の成果を発表していきます。いよいよ宮城の番で我が洞源院から代表の阿部美代子さんも登壇しました。その姿の晴れやかさ、そして堂々としていてとても立派な発表でした。また、代表者によるご焼香には阿部徳子さんが登壇しました。また、その姿も堂々としていて、とても感心させられました。私もなんとも誇らしい気持ちで帰途につきました。

阿部洋子

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寺子屋寄席

第21回落語寄席 柳亭左龍(りゅうていさりゅう)師匠独演会
場所:洞源院本堂
日時:10月19日(土)
開場:6時
開演:6時30分
出演:柳亭左龍(りゅうていさりゅう)師匠
平成18年3月真打昇進  六代目柳亭左龍を襲名。
23年度・24年度連続で、花形演芸大賞金賞を受賞する実力派。
木戸銭 1,000円

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梅花講5団体・500名来院

東日本大震災犠牲者の追悼供養を行い、住職より被災地の様子や、避難所となった洞源院の様子をプロジェクター写真等を使って話がありました。

5月28日
午前10時 山形県第三宗務所(一)
午後1時半 山形県第一宗務所・静岡県第三宗務所
午後3時 山形県第三宗務所(二)・大阪府宗務所
5月30日
午後1時40分 山形県第二宗務所

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日常の仏教語「善哉(ぜんざい)」

善哉 これからの季節には、冷やし善哉が似合うでしょうか?
関東では白玉団子などに濃いあんをかけたもの。関西ではつぶしあんの汁粉をいいます。
この言葉は、お釈迦様がしばしば用いたと言われ、例えば、弟子たちが何か良いことを言ったり、立派な行いをした時「善哉、善哉」と称賛されたそうです。
つまり、善いと感じたものを褒めたり、喜び祝う言葉なのです。

その言葉が、なぜ、日本の食べ物の名前になったかというと、次のような逸話があります。
ある信者が、初めて小豆の汁に餅を入れ、一休禅師に供したところ、一休禅師はおおいに褒め、「善哉、善哉」といったとか…

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敬老の集い案内

昨年同様楽しく開催されます。ふるってご参加ください。

日時:9月29日(日)午前10時~午後2時30分
内容:歌・踊り・ゲームなど。
申込み:参加希望の方は、寺または各寺役員へ申し出下さい。
申込みは8月末日まで。

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牡鹿三十三観音札所

最近月刊誌「いしのまきらいふ」に紹介された牡鹿三十三観音霊場は、江戸時代中期に成立されたといいます。

観音様は世の人々の苦悩を除き、仏のいのちへの自覚に導いて下さる働きをします。すべての人々の心を救い、仏のいのちへの促す働きであるならば、すべてのものが、悉く観音さまの化身となり得るのです。この仏のいのちこそ、自らを救い、他をも救う働きとなるのです。その身は衆生済度のため、人々の苦悩や願いに応じて三十三に変化するところから生まれました。その元は『観音経』の教えに原点があります。

日本最初の観音霊場は、観音三十三身に由来するもので、平安時代に奈良長谷寺の徳道によって創設されたと伝えられます。当初は修験者などによる巡拝が主であったが、室町時代には一般庶民の信仰が盛んとなり、江戸時代には爆発的な流行となって、各地に広がりました。

東北地方も沢山の霊場がありますが、特に奥州三十三札所、最上三十三札所は今も盛んに巡拝されますが、牡鹿三十三札所は残念ながら、あまり知られていません。震災を機に見直していただけると有難いですね。

お参りの仕方

巡礼の心構えは仏の心で行じ、一度決めたら道中に苦しいこと、腹立つことがあっても、何があっても仏の恩寵と有難く受けとめ、世間の雑事をはなれて、最後まで成し遂げることです。

本来、巡礼の前に写経してこれを巡礼寺院に納め、その受領の証しとしてご朱印をいただきますが、今はただ集印帳に記されるだけが多くなっています。また、参拝の時に「般若心経」やご詠歌をお唱えし、自分の名前を書いた木札を納めたことから、○番札所といわれています。ご朱印のお礼は三百円~五百円程です。

巡礼の服装は、正式には浄衣の白装束となり、輪袈裟を掛け、念珠を持ち、頭には菅傘をかぶり、金剛杵の杖を持ちます。白装束は陣羽織のような笈摺(おいずり)でもよいです。仏具店に集印帳と共に取り扱っています。洞源院でも取り寄せています。必要な方はご連絡ください。巡礼には十の功徳があると言われています。





牡鹿三十三観音札所紹介

01 長禅寺(廃寺)・湊牧山/代拝 梅渓寺
02 梅渓寺・湊牧山
03 法泉寺(廃寺)・鹿妻山/代拝 牧山神社
04 法山寺・湊牧山
05 瑞鹿庵(廃寺)・湊立石/代拝 法山寺
06 無量寿庵(被災)・渡波町2/代拝 西光寺
07 宮殿寺・渡波町2
08 洞源院・渡波仁田山
09 薬師堂(廃寺)・沼津拾牧山/代拝 西念寺
10 西念寺・沼津
11 浄蓮寺・沼津
12 長林寺・水明南2
13 慈恩院・吉野町1
14 多福院・吉野町1
15 松巌寺・湊町3
16 真宝寺(廃寺)・雲雀野1/代拝 寿福寺
17 寿福寺・羽黒町1
18 弥法寺・門脇町3
19 西光寺・門脇町2
20 海門寺(廃寺)・羽黒町1/代拝 永巖寺
21 永巌寺・羽黒町1
22 不動堂・羽黒町1
23 広済寺・住吉町2
24 禅昌寺・山下町1
25 瑞松寺(廃寺)・山下町1/代拝 禅昌寺
26 普誓寺・門脇中浦
27 東雲寺・蛇田上中埣
28 金蔵寺・南境金沢
29 龍洞院・大瓜棚橋
30 吉祥寺・高木寺前
31 龍泉院・水沼天似
32 真法寺・真野内原
33 長谷寺・真野萱原

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活動報告(平成25年5月~7月)

5月11日 東北大留学生来院

5月12日 花まつり・高橋佳夫ライブ 
5月20日 住職出張講話 愛媛県松山市 四国地区祖門会 
5月21日 教区寺院総会(十三教区) 
5月26日 浜供養(大震災殉難者巡礼)長浜、石巻新漁港、南浜町 
6月16日 浜供養(大震災殉難者巡礼)十三浜、大川小学校、富士沼 
6月17日 住職出張講話 鳴瀬町 功岳寺 全国吾一会 
7月1日 住職出張講話 福岡県小竹町
7月21日 浜供養(大震災殉難者巡礼)雄勝浜・船越

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行事予定(平成25年8月~12月)

8月3日 オペラを楽しむ会 会場かのまたNsスクウェア 洞源院、光明寺共催 午後7時
8月4日 お盆の清掃奉仕 午前8時半~
8月20日 寺族小野﨑つよし三回忌 正午
9月1日 浜供養 午後1時
秋彼岸中日 永代供養、動物供養

行事予定の日時は都合により変更の場合もあります。
今後の行事は年間行事のページをご覧下さい。

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編集後記

石巻の主力産業である水産業も徐々に復興していますが、以前取引していた得意先がなくなってしまい販売の方で大変苦労をしている様子で、前のように戻るまでは時間がかかりそうです。

一方、海岸から離れた山に近い根岸、新成、旭ヶ浦などは次から次へと住宅が建てられています。

牡鹿半島で水産養殖をしていた人達も渡波地区に家を建て、浜の仕事に車で通勤し続けている人も多くいます。生活が一変してしまい新しい水産業への模索が続いています。

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住所をお知らせ下さい

住所変更届けをされていない方は、早めに現在の住所及び電話番号をお知らせ下さい。

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