洞源院寺報なむ

第16号(平成26年1月1日発行)

正月と先祖

住職 小野﨑秀通

飽食の現代ですが、以前は食卓にご馳走が並べられた時「盆と正月が一緒に来たようだ」と表現することがありました。

いろいろな年中行事の中でも、とりわけ重要視されたのが、お盆とお正月です。
常識的には盆行事は仏教が、そして正月行事は神道が管轄すると考えられています。
二つは特別な「ハレ」(普段になく表立つ)のときなのです。
の二つのハレのときにこの世あるいは各家の元に来臨するのは何かとなると、多くの人は盆には死者・先祖が、他方正月には年神または歳徳神と捉えています。言葉の上ではそのとおりですが、この理解は正しいとは必ずしも言えません。

なぜなら盆と正月にやって来るのは、等しく先祖であるという有力な説があるからです。
それは、民俗学の大家、柳田國男氏の学説です。柳田氏によれば、「死者の霊魂(精霊)は子孫の供養を受けて、時を経るにつれて浄化し、やがて先祖霊になり、カミの地位へと高まる。この浄化の過程は、仏教の年忌追善供養の関与によって弔い上げがなされて来た」といいます。

最終年忌を過ぎた死者の霊魂は、一族の集合的な先祖霊に融合し、身近な山に鎮在し、盆や正月には年神となって子孫の元を訪れ、さらに農作業の節目にも来臨して子孫の生活と農耕を見守る田の神・山の神になります。

お盆祭りの対象が死者・先祖であることは周知の事実ですが、正月の年神も田の神や山の神も同じく先祖であると考える人はそう多くないと思います。

いずれにせよこの国の多くの神々の根っ子に「先祖」がおわすという認識を持っていただきたいと思います。

これまで、多くの人は正月はお宮詣りをすればよいと考えていたと思いますが、年神は先祖霊に他ならないのですから、正月をお迎えしたなら、お家ではお仏壇をお参りし、お寺詣りも欠かさぬよう努めていただきたいものです。



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大般若祈祷会のご案内

1月18日(土曜日)
10時半~11時15分 設斉(食事)
11時~12時15分 お楽しみ「歌とお話」テレビOHバンデス出演の高橋佳生さんと庄子眞理子さんが来院
12時半~13時半 祈祷法要


洞源院では、950年来のご本尊観音菩薩の初縁日に、守り本尊と八大竜王神をご開帳し、ご祈祷がなされます。今から250年前より伝えられる大般若経六百巻を二十余名の僧によって転読(沢山の数のお経をパラパラとめくり読む)、仏智慧の威神力を得て祈祷されます。

家内安全・病気平癒・身体健全・子孫長久・家業成就・商売繁盛・除厄招福・良縁結成・家門繁栄・工事安全・福寿長命・交通安全・海上安全・大漁満足・安産祈願・合格祈願・学業成就・心願成就

それぞれ願意を選びお申し込み下さい。申込書別にあり。
どなたでもご祈祷を受ける事ができます。お誘い合わせてお参り下さい。お待ちしています。

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東日本大震災慰霊供養祭 韓国仏教会が来石

11月16日(土)夕方、韓国の亀尾仏教寺庵連合会が東日本大震災物故者の慰霊供養に訪れました。
慰霊祭は日韓合同で、洞源院本堂を会場に行われました。
日本側では石巻仏教会を代表し祝田法音寺住職が導師を務められ、洞源院護持会役員、梅花講員、檀家等参列者全員で般若心経を唱え、続いて韓国の僧侶3名と金泉市多文化女性により韓国式の般若心経や南無阿弥陀仏を唱えて下さいました。又、ご本尊様の御前で物故者に捧げる踊りが厳粛に舞われました。

慰霊祭終了後、韓国仏教会から石巻仏教会、石巻復興協会及び現在、伊勢町に建設中の石巻ひがし保育園(社会福祉法人輝宝福祉会)に支援金が授与されました。



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菊づくり菊見る時は、陰の人

寄贈 佐々木 力さん

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石巻ひがし保育園園児募集

所在地:石巻市伊勢町一九八番二
準備事務局:石巻市渡波字仁田山二 洞源院内
連絡先:0225-24-1389

法人理念・保育方針等ホームページをごらんください。http://kihofukushikai.com/
保育時間: 月~金 7:00~19:00/土日祝 8:30~16:30

募集人数【75名】
0歳…6名(満員)
1歳…12名(満員)
2歳…12名(満員)
3歳…15名(満員)
4歳…15名
5歳…15名

※送迎バスあり、2歳児以上の方は、ご相談ください(料金別途)。

待望の石巻ひがし保育園が遂に完成しました

「石巻市渡波支所管内の各保育所が被災し、子供たちはもとより若い親御さん達が苦境に立たされている。」
その状況を1日でも早く打開するためには、行政だけでは到底街の復旧すらできないので、民設民営にて親御さんたちの大切なお子さんたちを安心して預けられる環境をつくり、これからの世代を生きる子供たちを真心をもって保育し、皆さまの子どもたちが他人を思いやることのできる「のの様」教育を行うべく、保育園の建設を開始しましたが、遂に12月27日に完成しました。
本年4月に開園します。

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韋駄天(いだてん)

「どいた、どいた、ドロボーだァ」
「どこだ、どいつだ、どっちへ行った」
「ドロボーは後からついてくる」

落語に、足自慢の者の話がありますが、足の速い人のことを「韋駄天走り」とよく言っています。

韋駄天は、仏様ではなくて、仏教を守ることを誓った守護神で、この宇宙世界を守っている四天王(持国天・増長天・広目天・多聞天)のうちの南方増長天王に従う八将軍の一人で、三十二将軍の首長だとされています。

この韋駄天が、仏教の守護神となって、最も輝かしい手柄を立てて、「韋駄天走り」の愛称を受けたのは、釈尊がお亡くなりになった時のことです。釈尊の仏舎利(遺骨)を盗み、逃げた俊足の疾足鬼を追いかけ、捕まえて奪い返したという伝説から「韋駄天走り」などと、足の速い者の代名詞に例えられました。

一説にはシヴァ神の子との説もあり、脚力に優れ、性格は聡明で、精神は極めて清らかで、一切の欲を離脱していたことから、生前の釈尊からこよなく愛され、仏法の外護の任にあたることを命ぜられた天です。

この韋駄天は、修行を妨げる魔がある時は、その魔障を除くといわれているところから、修行の守護神としても祀られました。
以来、寺の堂塔伽藍の守護神として信仰され、禅寺では火防盗難の守護を司る神として祀られています。

お姿は甲冑を着け合掌し、手に宝剣を捧げています。

また、イダの語源には「聚」の意味があり、財宝を集める神で、福徳神でもあります。洞源院では庫裡の居間の上に祀られてお守りいただいています。

真言 「オン・イダテーター・モコテーター・ソワカ」

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行事のごあんない

三朝祈祷
元旦~3日早朝
正月三箇日の間、新札を奉安し、1年の無事息災を願い祈祷します。国土安穏を祈り、「長寿和楽、火盗潜消、家内安全、七難即滅、七福即生、諸願成就」と書かれたお札を大般若経六百巻の威神力をいただき、ひたすら三箇日祈祷するものです。
「なむ」寺報と共に「大般若祈祷札」をお授けしますので、柱など常に見える所にお祀り下さい。
涅槃会(ねはんえ)
2月15日午後1時半
仏の教えを聞く会&音楽会
4月8日は、お釈迦様誕生を祝う花まつり、12月8日は坐禅をされていたお釈迦様が、悟りを開かれた成道会(じょどうえ)、そして2月15日はお釈迦様がご入滅された涅槃会です。
この三つの行事を三仏忌と称し、仏教徒にとって大切な行事です。 洞源院では、この三仏忌に『仏の教えを聞く会』として季節や曜日等の都合で日を変更して行います。今年は以前演奏していただいたピアニストの稲垣達也さんとコラボレーションします。ぜひご参加ください。無料です。
東日本大震災慰霊供養会
3月11日午後2時
毎年この日時に御霊の安らかならん事を念じ、供養してまいります。どなた様もご参加下さい。
春彼岸供養
3月18日~21日
彼岸供養の功徳をもってお墓参りされますように願います。
各日の供養時間
第一座8時半、第二座10時、第三座11時、第四座13時(入彼岸のみ)
これらの時間帯で不都合の方はご連絡下さい。

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日常の仏教語「我慢(がまん)」 

「飲みたい酒を我慢する」のように、苦しくても辛抱するときに使われ、一般にはよい意味で用います。しかし、仏教では、「我慢」は悪い意味で用いられていました。自分の中心に我があるとの考えから、「自分を偉く思い、他を軽蔑すること」と説明しています。

仏教では、そのようなおごりたかぶる心を七つ挙げ、「七慢」と称しています。その一つが我慢なのです。そして、他と比較しておごりたかぶるという「慢」(まん)。自分が勝れていると思い高ぶる「過慢」(かまん)。他人を見下す「慢過慢」(まんかまん)。悟りの域に達していないのにすでに悟っていると自惚れの心の「増上慢」(ぞうじょうまん)。逆にへりくだり過ぎる「卑下慢」(ひげまん)。間違った行いをしても正しいことをしたつもりでいる「邪慢(じゃまん)です。 

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活動報告(平成25年8月~12月)

8月3日 オペラを楽しむ会 かのまたN's SQUARE
8月4日 お盆の清掃奉仕
9月1日 浜供養
9月23日 秋彼岸中日 永代供養 動物供養
9月29日 敬老の集い

10月19日 寺子屋寄席 柳亭左龍師匠
10月27日 浜供養
11月16日 韓国仏教団来院 追悼法要
12月8日 年末清掃奉仕成道会・仏の教えを聞く会
12月21日 護持会役員会
12月31日 除夜の鐘お焚き上げ(塔婆・位牌等)

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行事予定(平成26年1月~5月)

元日~3日  三朝祈祷会
1月18日 大般若祈祷会 午前10時~
2月15日 おねはん会 仏の教えを聞く会 午後1時半~
3月11日 東日本大震災合同供養 午後2時~
3月16日 石巻ひがし保育園完成祝い 午後1時半~
3月18日~21日 彼岸供養
3月21日 十一面観音彼岸会 永代供養 愛々動物供養 午後1時半~
4月13日 東日本大震災浜供養巡礼 午後1時~
5月18日 花まつり 仏の教えを聞く会 午後1時半~

行事予定の日時は都合により変更の場合もあります。
今後の行事は年間行事のページをご覧下さい。

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お願い

大般若祈祷会(1月18日開催)の設斉(参加者への食事準備・おもてなし)のお手伝いをお願いいたします。
お寺にご一報ください。

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編集後記

東日本大震災の復興が思う様に進んでいませんが、震災から3度目の正月を迎えました。渡波地区では、津波被害にあった所にも少しではありますが、工場や家が建ち始め、また災害公営住宅用地などの造成も始まりました。洞源院では昨年も恒例になった「敬老の集い」を皆さんの協力で開催することができました。

また「石巻かきまつり」が石巻市総合運動公園で3年ぶりに開催され、観光客ら約3万人も集まり大盛況でした。今年は待望の「石巻ひがし保育園」が開園します。人が集まり、家も建ってくると明るい話題が増えると思います。

広報部及び皆様にはお忙しい中、寺報「なむ」の編集にご協力いただきまして誠にありがとうございます。広報部では、今年もお寺の様子や、皆様の意見などを取り入れて、地域に密着したものにしていきたいと思っています。本年もよろしくお願い致します。

後藤和男

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おしらせ

「なむ」への情報及び手記等がございましたら広報部(洞源院内)にお寄せ下さい。

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